【独学OK】最速でドイツ語A1に合格する学習方法&おすすめ教材4選
ゲーテのA1の試験を受けるのは初めて。どうやったら合格できるのかな…?
ドイツで生活するためのビザをもらうには、A1レベル(6段階で一番下)のドイツ語試験に合格して最低限の語学力があることを証明しなければなりません。このページを見つけられた方も、きっとこの試験に合格できるかが不安で勉強方法を調べていらっしゃったのではないでしょうか。
そこで、ドイツ語の知識が全くのゼロだった私が、ゲーテ試験のA1に一発合格するまでに実際に使った学習教材と学習方法をご紹介します。(筆者プロフィールはページの一番下にあります。)
私は英語塾の講師として、語学の勉強方法がわからない方々に英語を教えていましたので、その知識と経験を踏まえて「どうしてこの教材がいいのか」も併せてご説明します。
時間が無い学生や社会人でも3ヶ月あればA1には確実に合格できるはずですので、学習を楽しみながら一緒に頑張りましょう。
目次
大人の言語習得の流れは「理解→慣れ→練習」
赤ちゃんは耳から入ってくる全ての音をシャワーのように浴び続けることで言語を覚えます。しかし大人の場合は全く違います。
大人の語学学習の流れは、「理解→慣れ→練習」です。これを知った上で勉強するのと、知らないまま勉強するのでは伸びに雲泥の差が出ます。逆に言えば、この流れに沿って学習を続ければ確実に結果が出ますので安心してください。
それでは一つ一つ見ていきましょう。それぞれ30秒ほどで理解ができます。
ステップ1:理解
大人の学習ステップその1は「理解」です。赤ちゃんと違って大人は理解できない情報や音をノイズや雑音のように感じてしまうので、学びたい文法や語彙を確実に理解することが大切です。
そのため、初心者の教材選びの際に一番大切なことは「どれだけ簡単な教材を見つけられるか」です。例えば英語に全く自身が無い方は、中学1年生レベルの英語をとことん易しく説明した解説書をゆっくりじっくり読み込んで、「文の構造から単語の意味まで全てがわかる!」という経験を積んでいきましょう。その小さな成功体験の積み重ねによって、脳は新しい言語をノイズではなく知識として貯め込んでくれるようになります。
◆ポイント:理解できないことは覚えられないし使えないのが大人。
ステップ2:慣れ
短い文が読めるようになったらすぐにスラスラ長文が読めるようになるかというと、残念ながらそんな事はありません。人は本を使って言語を勉強するときに、必ず頭の中で声に出しながら読んでいます。「読むこと」「聞くこと」「発音すること」全てバランスよく練習することで、たくさんの例文や問題文を苦しいと思うことなく読めるようになります。
これら3技能全てを伸ばせるのが音読です。音読の力は凄まじく、「読む」「聞く」「発音する」の全てがバランスよく伸びます。私が英語講師だった時、学習者のみなさんに「何をやったらいいですか?」と訊かれたときには、必ず「持っている教材の中で一番簡単なものを30回以上音読してください」と伝えていました。
内容が全て理解できるくらいの簡単な教材で結構です。音読すればするほど新しい気付きがあります。必ず声に出しながら学習しましょう。音読は絶対に効果が現れる最強の勉強法ですので、どうか音読の力を信じて続けてください。
◆ポイント:音読を繰り返すことで言語に「慣れる」。
ステップ3:練習
どれだけ簡単な文だとしても、一から文を作るというのは初心者にとっては高度な技術です。その高度な技術の練習を簡単なものから何度も繰り返すことで、与えられた文をスラスラ読むだけならできるようになります。
「どうしてこの単語を使うのか」「どうしてこの語順になるのか」といった細かい点を全てわかった上で5~10語程度の短い作文練習を行うことで、動詞と目的語の関係や単語の意味などの語学における様々な要素を学ぶことができます。
作文はアウトプットであると同時にインプットの活動です。「短文を書いてみる→答え合わせをする→知らなかった言葉や文法を学ぶ」の流れを繰り返し繰り返し行うことで知識が増えますし、結果リーディングとリスニングのときには文構造がスラスラ理解できるようになります。
長い文を書く練習は必要ありません。5~10語程度の短い作文を繰り返し行うことで、文構造の理解力と語彙力を上げていきましょう。
◆ポイント:文を作る練習を繰り返すことで読む力も大きく上がる。
それでは実際に「理解→慣れ→練習」のステップを当てはめながら、肝心のドイツ語の勉強方法と教材を見ていきましょう。
【①理解】テキストで説明されている全てを理解する
上記でご説明した通り、ドイツ語学習の第一段階は「理解」です。前知識がゼロのドイツ語学習者に向けてどれだけ易しくドイツ語を解説してくれているかが教材選びのポイントですが、絶対的なおすすめ教材が『ステップ30 1か月速習 ドイツ語』です。
とにかく読みやすい
この本の特徴は何と言っても読みやすいことです。脳の処理能力は限られているのに、書かれている文字が小さかったり、初心者に不要な情報まで詰め込まれすぎていたりすると、最も大切な文法の解説を理解する前に疲れ果ててしまいます。
しかし、この本に限ってはそんなことは起こりません。文字が大きく、優しい語り口調で、できるだけ簡単な言葉で、基本的な文法をとても丁寧に解説してくれています。本の読みやすさはストレスを感じずに学習する上で一番大切な要素と言っても過言ではありません。そして、『ステップ30 1か月速習 ドイツ語』以上に読みやすく初心者に優しいテキストを筆者は知りません。
A1合格に求められる文法はA2,B1,B2とレベルが上がるに従って派生・発展していくうえでの根幹となる基礎文法ですが、この基礎中の基礎され理解できていればA1には十分合格できです。複雑なルールがとても多いのがドイツ語ですが、A1の合格に必要な基礎文法程度でしたら『ステップ30 1か月速習 ドイツ語』で十分学べます。
『ステップ30 1か月速習 ドイツ語』の使い方
具体的な学習方法ですが、まずはとにかく時間をかけて読み込むこと。例文を読んでいると「この単語はどういう意味だろう?」と思うこともあるかもしれませんが、必ず解説されているので疑問を次の日に持ち越すことなくスッキリ理解できます。
そして次に簡単な問題を解くこと。この本に載っている問題は間違えても大丈夫です。間違えた上で解説を読んで理解ができれば100点です。なぜならこの教科書を使う目的は「理解」だからです。全問間違えても、解説を読んで全問理解できればそれで良いのです。
そして最後に音読すること。理解できていない文はスラスラ読めないものですので、音読することで自分の理解度の確認ができます。また、耳でも口でもドイツ語に慣れることで、A1試験のスピーキングテストの練習に繋がります。
◆ポイント:とにかく易しい解説書を何度も読み込むことが大切
【②慣れ】ドイツ語を読むことに慣れる
ドイツ語の”違和感”を払拭できるのが音読
きっとドイツ語の勉強を始めたばかりのときは「どうしてこんなに母音が少ないの?」「”Europa”でオイロパと発音するのはなぜ?」「名詞の頭文字が大文字なのが気持ち悪い!」など、引っかかる点がたくさんあると思います。脳の処理能力は限られているのにこうしたドイツ語に対する”違和感”がたくさんあると、ドイツ語を読むこと自体がとてもつらく大変なものになってしまいます。そうするとドイツ語の勉強は進まないし、試験でも問題文や選択肢を読むだけで疲れ切ってしまいますよね。語学が苦手な方は、この”違和感”を最初から最後まで持ち続けてしまっているのが原因であることがとても多いです。
そんなドイツ語の”違和感”を払拭する最強の方法が音読です。音読を何度も繰り返すことで、音・表現・表記などの様々な点を当たり前のものとしてスラスラ飲み込めるようになります。そして音読はアウトプットであると同時にインプットの活動です。30回40回と音読を繰り返すことで、新しい文法や語彙が脳に刷り込まれていきます。
音読におすすめの教材が『スタート! ドイツ語A1』です。この教材の特徴は、A1学習者が理解できるレベルの簡単な文法を使っているにも関わらず、多くの自然な表現を学べることです。普段の買い物や公共交通機関で使うような日常会話がふんだんに盛り込まれています。自然な表現を繰り返し音読することで、すぐに使える知識・技術としてあなたの脳に刷り込まれていきます。簡単な文が理解できるようになったら、少し長い文や会話を繰り返し音読することで少しずつドイツ語自体に慣れていきましょう。
『スタート! ドイツ語A1』の使い方
基本的な学習方法は『ステップ30 1か月速習 ドイツ語』と同じですが、大切なことは1つの課を最低30回は音読することです。1回2回の音読では効果がありません。音読の最大の目的は”ドイツ語に慣れること”ですので、最低30回、できれば50回音読を繰り返しましょう。丸暗記するほど読み込むことで、ドイツ語に対する”違和感”を払拭できますし、それによってその後のドイツ語学習が比べ物にならないほど楽になります。音読はかなり口が疲れる練習ですが、ココアやコーラなどお気に入りの飲み物を片手に頑張りましょう!
◆ポイント:音読は最強の学習法
【③練習】自分で文を作ると気づくことがたくさんある
ドイツ語の文法練習における絶対的なバイブルと呼ばれる本があります。それが『しっかり身につくドイツ語トレーニングブック』です。まずはこの本の特徴をお伝えし、その上でどうして文法練習が必要なのかをお伝えします。
『しっかり身につくドイツ語トレーニングブック』の特徴
『しっかり身につくドイツ語トレーニングブック』の特徴は、圧倒的な問題数です。大切な文法項目が39課に分けて説明されており、それぞれで30~50問ほどの文法理解/日独翻訳の練習問題があります。機械的に文法項目をただただこなし続ける練習が可能です。それだけかと思うかもしれませんが、この”大量の機械的練習”がとても重要なのです。
大量の練習は絶対に必要
「忙しい大人の語学学習は量より質が大切」という考え方がありますが、それはある程度の実力が伴ってからの考え方です。機械的に大量の問題をこなす時期は絶対に必要です。量をこなすことで「自分が十分に理解できていない文法はどれか」「助動詞の使い方」などがわかります。つまり、量をこなすことで自分にとっての”質”が何なのかが初めて分かるようになるのです。
そして、自然な速度で文が作れるようになるまでには時間がかかります。文法を頭で理解するだけでは不十分で、練習問題を繰り返しこなすことでしかアウトプットの速度は上がりません。
これまでの2冊で文法を理解してドイツ語に慣れ、そして問題集で大量のアウトプット練習をこなす。これが独学で言語を身につける黄金ルートです。
アウトプットはインプットの勉強にもなる
この問題集の良いところとして、翻訳する文が短いということが挙げられます。つまり正しいドイツ語の答えを見たときに、問題である日本語文のどの単語がどれに当たるのかが理解しやすいのです。
きっと問題集を解いている中で、わからない単語や文法がでてくることもあるでしょう。それで全く問題ないです。単語がわからなくてアウトプットできなかったとき、文法がわからなくてうまく表現できなかったときかったとき、そうしたつまづいたタイミングで答えを見て理解ができればそれでいいのです。それがインプットであり学びです。
あとは学んだことを何度も繰り返し練習するだけです。やることは単純明快。あとはあなたの勇気と元気だけです!
◆ポイント:量をこなすことで初めて”質”の意味がわかる。それまではとにかく量をこなす。
【④模試】ゲーテ・インスティテュート A1試験練習問題
試験の2ヶ月前になったらゲーテ・インスティテュートが公式に公開している練習問題を解いてみましょう。この練習問題は・・・
- 実際の試験の問題と形式が同じ
- 答えがついているので自分の点数がわかる
- リスニングの音声とスクリプトもついている
- マークシートの練習もできる
- 2回分も公開されている
と、大満足の内容となっています。練習しない手はありません。
日本語の解説はアップロードされていませんが、パソコンで開けばGoogle翻訳にコピペすることで日本語訳を見ることができます。細かいところまできちんと理解できるので大満足ですね。
ただ、練習問題を解く一番の目的は問題形式に慣れることで本番当日にうろたえずにすむようになることです。間違えた問題がたくさんあったからといって落ち込まないでください。2ヶ月あれば大きく成長できます。あなたは大丈夫です。
おすすめ教材4選まとめ
①【まずは理解】ステップ30 1か月速習 ドイツ語
②【次に慣れる】スタート! ドイツ語A1
③【あとは練習】しっかり身につくドイツ語トレーニングブック
④【本番前模試】ゲーテ・インスティテュート A1試験練習問題
正しい方法で学習すれば語学力は確実に伸びます。それはドイツ語も同じです。易しい教材を使って「理解→慣れ→練習」のサイクルを繰り返し行い、絶対に次の試験で合格しましょう。ドイツ語学習の大変さと楽しさを実感している者として、皆さんの合格を心からお祈りします。